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DM1962-

東京都世田谷区、1962年に建てられたマンションの一室のリノベーション。
築45年となるRC造7階建て、メゾネット形式を含むそれぞれ異なるプランの住戸が複雑に入り組む建物であった。竣工当時も、現在もかなり貴重な集合住宅ではあるが、住戸内は小さな個室と廊下に区切られ、相当画期的であったであろうメゾネット形式も生かされておらず、暗く湿った空気が滞っている印象だった。
RC造の集合住宅は僅少な時代、限られた面積の日本の住宅でも欧米スタイルをイメージして計画されたようで、この住戸は5Fの内開きの玄関ドアを開けるとカーペット敷きの土足のままの狭いリビングとキッチン、4Fへ降りると水回りと薄暗い個室2つに区切られていた。
ここに新しくひとりで住まうことになるクライアントは長くピアノと共に人生を過ごしてきた方であった。そのため、5Fを必需品ともいえるグランドピアノの場としてエントランス兼ピアノサロンとし、4Fのワンフロアを生活のスペースに変えた。
舞台のセットのようなつくりのキッチン、洗面、バスルーム、ベット、収納を考え、それらが個別に機能しながらもつながり、東西にある開口からのひかりや風が室全体に入り込むようになった。また、長年大切に使ってきた家具のおさまるところ、合う素材を考慮した甲斐あって、住み始めた途端にもうずいぶんと暮らしてきたかのように馴染んでいる。
時々ピアノのミニコンサートが開かれる。演者のレベルが高いことも後押しし、通常は鉄扉の中はうかがい知れない住戸の玄関が、住人同士の親交のきっかけとなる場も創り出している。

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用途:共同住宅
延べ床面積:4階/39.75m2 5階/13.95m2 計53.7m2
構造・規模:RC造地上7階建ての4、5階部分の住戸
竣工:2007年1月

設計協力:工藤 徹/aws
施工:シラコ、テック


Photo:Dici Ano

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