Kamiooka Apartment house
神奈川県横浜市の副都心の一つ上大岡駅から徒歩5分程。
KaKa竣工から3年後、同じバス通り沿いのもう一方の交差点側の角に計画された1Fに最大4つに分割可能な店舗と2・3Fに5つの住戸をもつ共同住宅。最上階の一戸はオーナー住戸である。
隣家の庭が延長されるように配置した共用空地をはさんで2つの棟を並べることで、賃貸市場ではかなりのアピールとなる全戸「角部屋」となり、3・4方向に大きく窓が設けられることになった。
ここでの共用空地は3Fに住むオーナーが運営するカフェが主に使用する中庭であると同時に、上階への動線、そしてそれぞれの店舗・住戸内に外部環境を引き込み、まちの様子やお隣の存在を感じさせるものとなっている。
こうした賃貸の集合住宅では、様々な理想を描いて共用部を豊かにつくることができたとしても、うまく使われることを住人やオーナーの采配に期待するだけでは限界がある。そのため、この余白が事業的な利用価値と空間としての価値の双方を持ちあわせ、パブリックにも接続し、「まちのにわ」として存在する場となるべきだと考えて計画している。
道路側の店舗のファサードは中庭を見通せられる大きな開口をとりつつも全面ガラス張りとはせず、ちょっと腰がかけられるほどガラス面を壁厚の内側に入れ、入り口部分をへこませることで、交通量が多いにも関わらず幅が狭く歩道も片側しかない道路に物理的にも心理的にもスペースを提供している。
解答は異なるが、同じ街区の2つの角にまちを引き込む場をつくり、この通り沿いの環境を変える役割を担えていると感じている。
Kamiooka Apartment house
用途: |
店舗+共同住宅 |
敷地面積: |
249.77㎡ |
建築面積: |
169.99㎡ |
延床面積: |
458.23㎡ |
構造・規模: |
RC造 地上3階 |
竣工: |
2014年2月 |
構造設計: |
江尻建築構造設計事務所 |
設備設計: |
イーエスアソシエイツ |